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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
AI・数理モデルによる循環器疾患診療・研究の変貌
人工知能の循環器基礎研究への応用と展望
Application and prospects of artificial intelligence to cardiovascular basic research
湯浅 慎介
1
Shinsuke YUASA
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科学教室
キーワード:
機械学習
,
iPS細胞
,
自動判別
,
細胞評価
Keyword:
機械学習
,
iPS細胞
,
自動判別
,
細胞評価
pp.1359-1362
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141359
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近年の人工知能(AI)の進歩は著しく,さまざまな分野で社会実装されている.これまでの基礎研究におけるAIの利用は,網羅的遺伝子発現解析におけるクラスタリングやゲノム解析などに用いられてきた.AIによる画像認識は顔認識や自動運転など日常生活に広く取り入れられているが,基礎研究においてはあまり用いられてこなかった.基礎研究においては細胞を用いたさまざまな研究がなされており,細胞の種類,形体や状態は主に免疫染色を用いて顕微鏡により観察されている.一方,位相差顕微鏡によっても細胞の特徴を描出することは可能であるが,免疫染色などを用いないと人間が詳細な情報を得ることは困難である.しかし機械学習を用いることにより,位相差顕微鏡画像から多能性幹細胞に由来する分化細胞の種類を自動認識することや,病的細胞の自動判別系を確立することが可能である.これらの技術は今後ますます発展していくことが想定され,AIを用いることで循環器基礎研究も飛躍的に発展していくことが期待される.
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