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第1土曜特集 自律神経のサイエンス
多岐にわたる自律神経の役割
自律神経によるエネルギー代謝制御
Regulation of energy balance by the autonomic nervous system
中里 雅光
1
Masamitsu NAKAZATO
1
1宮崎大学医学部,大阪大学蛋白質研究所
キーワード:
迷走神経
,
消化管ペプチド
,
エネルギー代謝
,
グレリン
,
糖尿病
Keyword:
迷走神経
,
消化管ペプチド
,
エネルギー代謝
,
グレリン
,
糖尿病
pp.629-634
発行日 2023年5月6日
Published Date 2023/5/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28506629
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全身に分散する臓器はそれぞれが自立性をもって機能しながら,生体反応や環境の変化に応じて統合され,作動している.このように自律分散統合系として存在している生体を,調和しながら制御しているのは自律神経,内分泌,免疫系である.視床下部は自律神経の最吻側に発生し,自律神経中枢としての機能を持つ.自律神経は交感神経と副交感神経を出力系として,すべての内臓臓器,免疫系,血管,脂肪組織,骨格筋などに幅広く分布している.一方,内臓臓器からの情報は,副交感神経でもある迷走神経の求心路を介して延髄孤束核に運ばれ,視床下部にある自律神経中枢をはじめ,脳内のさまざまな部位へと伝達される(図1).交感神経の求心路は内臓神経として,感覚情報を伝達している.レプチン,GLP-1,グレリンなどの生理活性ペプチドを中心に,自律神経を介してエネルギー代謝を調節して恒常性を維持する機構を,以下に解説する.
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