サルコペニア

Sarcopenia

はじめに

　日本は世界でも類をみない超高齢社会であり，65歳以上高齢者割合は2017年には27.7％に達し，今後も上昇することが見込まれている^19）．一方，サルコペニアとは，加齢に伴う筋肉減少を特徴とする新しい疾患概念であるが，高齢社会においてその有病者数は増えつつある．2016年には国際疾病分類第10版（ICD10）に登録され，2017年には学会などにより「サルコペニア診療ガイドライン2017年版」^22）が発表されるなど，老年医学領域だけでなく，あらゆる診療科で不可欠な視点となりつつある．本稿では，身体的側面に着目し，サルコペニアの疾患概念と最新の知見，および治療介入について概説する．