Japanese
English
特集 X染色体不活化と疾患――新たな展開
iPS細胞誘導におけるX染色体再活性化
X chromosome reactivation during iPS cell production
西村 健
1
,
相澤 志穂
1
,
久武 幸司
1
Ken NISHIMURA
1
,
Shiho AIZAWA
1
,
Koji HISATAKE
1
1筑波大学医学医療系遺伝子制御学
キーワード:
X染色体再活性化(XCR)
,
iPS細胞誘導
,
Xist
,
Xtreme
Keyword:
X染色体再活性化(XCR)
,
iPS細胞誘導
,
Xist
,
Xtreme
pp.871-874
発行日 2022年11月26日
Published Date 2022/11/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28309871
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生体の発生の過程で,X染色体不活性化(XCI)とX染色体再活性化(XCR)は厳密に制御されている.XCIに関しては,マウスES細胞の分化によって簡便に誘導する系を用いて,Xist RNAを中心としてX染色体全体をヘテロクロマチン化する分子機構が明らかになってきている.XCRも,マウス体細胞からiPS細胞を作製する系を用いて実験的に誘導できる.しかし,iPS細胞誘導過程の細胞が不均一であることや,X染色体からの転写を高感度で検出・定量する系が存在しないなどの理由により,XCRの正確な開始時期などの詳細な解析は進んでいない.最近,これらの問題を解決する解析方法が構築され,XCRの開始時期や開始部位に関する知見が得られてきている.本稿では,主に実験的誘導系を用いて明らかになってきたXCRの分子機構について最新の知見を交えつつ,XCIと比較しながら概説する.
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