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特集 診療における薬理遺伝学検査の社会実装に向けて
日本臨床薬理学会「診療における薬理遺伝学検査の運用に関する提言」
A statement of clinical use of pharmacogenetic tests
――An official statement issued by The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
安藤 雄一
1
,
寺田 智祐
2
,
古田 隆久
3
,
莚田 泰誠
4
Yuichi ANDO
1
,
Tomohiro TERADA
2
,
Takahisa FURUTA
3
,
Taisei MUSHIRODA
4
1名古屋大学医学部附属病院化学療法部
2京都大学医学部附属病院薬剤部
3浜松医科大学医学部附属病院臨床研究センター
4理化学研究所生命医科学研究センターファーマコゲノミクス研究チーム
キーワード:
薬理遺伝学検査
,
UGT1A1
,
NUDT15
,
ABCG2
,
包括同意
Keyword:
薬理遺伝学検査
,
UGT1A1
,
NUDT15
,
ABCG2
,
包括同意
pp.722-727
発行日 2022年11月12日
Published Date 2022/11/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28307722
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2022年5月に日本臨床薬理学会より「診療における薬理遺伝学検査の運用に関する提言」(以下,提言)が公開された.この提言によれば,診療目的で実施される薬理遺伝学検査のうち,医療を必要とする遺伝性疾患の確定診断や発症リスクの予測に関連しない項目については,通常の診療と同様に包括同意または口頭同意のもとで実施できる.薬理遺伝学検査によって判明する生殖細胞系列の遺伝情報は単一遺伝子疾患の遺伝学的検査と共通の特徴を持つが,保険や雇用,結婚,教育など社会生活のさまざまな場面において患者や血縁者が不利益や差別を被る可能性が,通常の血液検査や一般的な診療行為と同程度であるというのがその根拠である.今回の提言が疾患診断や発症予測に関連しない薬理遺伝学検査とその運用を明確にした意義は大きく,今後の国内における薬理遺伝学検査の社会実装に寄与すると期待される.
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