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特集 診療における薬理遺伝学検査の社会実装に向けて
一般住民を対象としたゲノムコホート研究参加者への薬理遺伝学検査の情報回付
Return of individual pharmacogenomic results to participants in a population-based cohort study
大根田 絹子
1
Kinuko OHNEDA
1
1東北大学東北メディカル・メガバンク機構ゲノム予防医学分野
キーワード:
遺伝情報回付
,
薬理遺伝学検査
,
アミノグリコシド誘発性難聴
Keyword:
遺伝情報回付
,
薬理遺伝学検査
,
アミノグリコシド誘発性難聴
pp.712-717
発行日 2022年11月12日
Published Date 2022/11/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28307712
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薬理遺伝学(PGx)に基づく個人の遺伝情報(以下,PGx遺伝情報)は,医薬品の適正な処方や重篤な有害事象の回避などにおいて有用である.筆者らは,東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査参加者161名に対して,3つの遺伝子(MT-RNR1,CYP2C19,NUDT15)のPGx遺伝情報を回付した.このうち,アミノグリコシド誘発性難聴の原因遺伝子であるMT-RNR1 m.1555A>G保持者3名には電話で結果を説明し,東北大学病院難聴外来を紹介した.また,アミノグリコシド系抗菌薬の使用を事前に回避するために注意喚起カードを送付した.その他の参加者には結果報告書を郵送し,医療機関向けの資料を同封した.参加者のほぼ全員が参加前にはPGxの知識が皆無であったが,研究参加により約75%が自らのPGx遺伝情報の概要を理解できたと回答した.本研究により,健常な人にあらかじめ薬理遺伝学検査を実施し,医療情報として活用することの有用性や課題が示唆された.
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