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English
今月の特集1 病態から学ぶ生化学
病態から学ぶポルフィリン・ビリルビン代謝とその動態
Pathophysiology on porphyrin and bilirubin metabolism
上硲 俊法
1
1近畿大学医学部臨床検査医学
キーワード:
δアミノレブリン酸(δALA)
,
ポルフィリン体
,
UGT1A1
,
MRP2
,
Crigler-Najjar症候群Ⅰ型
,
Crigler-Najjar症候群Ⅱ型
,
Gilbert症候群
,
Dubin-Johnson症候群
,
Rotor症候群
Keyword:
δアミノレブリン酸(δALA)
,
ポルフィリン体
,
UGT1A1
,
MRP2
,
Crigler-Najjar症候群Ⅰ型
,
Crigler-Najjar症候群Ⅱ型
,
Gilbert症候群
,
Dubin-Johnson症候群
,
Rotor症候群
pp.937-944
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201339
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Point
●ポルフィリンはヘムの生合成過程の中間代謝産物である.ポルフィリン代謝によって合成されたヘムはヘモグロビンなどのヘム蛋白に利用される.
●ポルフィリン代謝異常には先天異常(ポルフィリン症)と後天的障害(鉛中毒など)がある.これらの疾患ではポルフィリン代謝の中間代謝産物であるδアミノレブリン酸(δALA),ポルホビリノーゲン(PBG),各種ポルフィリン体が尿,血液,胆汁,糞便で増加する.
●ヘムを原材料として産生されたビリルビンの多くは,血中アルブミンなどに結合して存在し,類洞側肝細胞膜の輸送蛋白(OATP1B1/OATP1B3)によって取り込まれる.肝細胞でUGT1A1によって抱合反応を受ける.抱合ビリルビンは毛細胆管側肝細胞膜のトランスポーターであるMRP2によって胆管内腔へ排泄される.
●体質性黄疸には,高非抱合ビリルビン血症を起こすCrigler-Najjar症候群Ⅰ型・Ⅱ型,Gilbert症候群(これらはUGT1A1の異常が原因),抱合ビリルビンが増加するDubin-Johnson症候群(MRP2欠損が原因),Rotor症候群(OATP1B1とOATP1B3の同時欠損が原因)がある.
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