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特集 行動嗜癖――ギャンブル障害・ゲーム障害等の実態と対策
ギャンブル行動症
ギャンブル障害の治療
-――行動という視点を中心に
Treatment for gambling disorders
――Focusing on the behavioral perspective
蒲生 裕司
1
Yuji GAMO
1
1よしの病院
キーワード:
遅延報酬割引
,
選好逆転
,
認知行動療法(CBT)
,
ギャンブル障害の標準的治療プログラム
Keyword:
遅延報酬割引
,
選好逆転
,
認知行動療法(CBT)
,
ギャンブル障害の標準的治療プログラム
pp.598-602
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28306598
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ギャンブル障害の治療では,その背景に存在する精神疾患の有無を確認する必要があり,ギャンブルそのものの治療以外に,それぞれの疾患に応じた治療,援助が必要となる.また,ギャンブル障害患者は自殺のリスクも高く,ギャンブルの問題を抱えた患者に出会った時は,自殺の危険性を常に意識する必要がある.ギャンブル障害の薬物療法はいろいろと試みられているが,どれも十分な効果はみられず,日本国内では保険適用となっていない.非薬物療法もいろいろなアプローチが試みられているが,最も有効性が示唆されているアプローチが認知行動療法(CBT)である.CBTは個人療法でも集団療法でも効果が確認されており,日本でも “ギャンブル障害の標準的治療プログラム” という集団認知行動療法プログラムが2020年度の診療報酬改定より診療報酬で認められるようになった.CBTを実施するうえで,特にギャンブルの行動としての側面に注目することは有効と思われる.
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