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特集 行動嗜癖――ギャンブル障害・ゲーム障害等の実態と対策
ギャンブル行動症
【トピックス】
多重債務とギャンブル障害
Multiple debts and gambling disorders
安藤 宣行
1
Noriyuki ANDO
1
1あさか事務所
キーワード:
多重債務
,
債務整理
,
自己破産
,
自殺
,
底つき
Keyword:
多重債務
,
債務整理
,
自己破産
,
自殺
,
底つき
pp.620-623
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28306620
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わが国の多重債務問題の歴史は古く,1977年には「第一次サラ金パニック」が喧伝されていた.その後,2007年から順次施行された,いわゆる “貸金三法”(貸金業法,出資法,利息制限法)の改正や多重債務者対策本部の施策などにより一定の改善がみられた.しかし社会生活上で何かしらの問題や課題を抱えている方が多重債務に至ることがなくなったわけではなく,そこにはギャンブル障害も含まれている.多重債務を解決するには任意整理,自己破産,個人再生などの債務整理手続きがある.特にギャンブル依存症者の場合,家族の肩代わりに頼るのではなく,専門家と協働して自らこれを解決することが依存症からの回復の観点においても重要である.なお,場合によってはその家族の債務整理が必要になることもある.依存症と同様に,多重債務もまた自殺のリスクファクターであり,多重債務状態のギャンブル依存症者においては,自殺予防の観点からも債務整理が適切に進められることが重要である.
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