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特集 行動嗜癖――ギャンブル障害・ゲーム障害等の実態と対策
ギャンブル行動症
ギャンブル障害
-――症状,診断・スクリーニング
Gambling disorder
――Symptoms, diagnosis and screening
松下 幸生
1
Sachio MATSUSHITA
1
1国立病院機構久里浜医療センター
キーワード:
ギャンブル障害
,
スクリーニングテスト
,
有病率
,
診断基準
Keyword:
ギャンブル障害
,
スクリーニングテスト
,
有病率
,
診断基準
pp.587-592
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28306587
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ギャンブル障害は行動嗜癖のひとつであり,ギャンブルの問題を原因として貧困,多重債務,虐待,犯罪,自殺などのリスクを高める疾患である.国際的診断基準である『精神疾患の診断・統計マニュアル第5版』(DSM-5)では,9つの診断基準のうち4つ以上に該当するとギャンブル障害と診断される.国内のギャンブル外来を受診してギャンブル障害と診断された者を対象とした調査では,噓,借金,負けの深追いが最も該当する割合が高い項目であった.その有病率は,海外の調査では0.12~5.8%と幅が広いが,2020年の国内の調査では18歳以上75歳未満の2.2%にギャンブル障害が疑われた.疫学調査で有病率推計に用いられるギャンブル障害のスクリーニングテストにはさまざまなものが提唱されているが,ギャンブル障害の診断基準を用いて信頼性や妥当性が検証されているものに,SOGS(South Oaks Gambling Screen),PGSI(Problem Gambling Severity Index),MAGS(Massachusetts Gambling Screen)がある.これらの感度,特異度はさまざまであり,簡易なスクリーニングテストを用いてより正確性を高めるなどの工夫が提唱されている.
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