Japanese
English
特集 クロマチンによる転写制御機構の最前線
Ⅲ.核内ドメインと転写
相分離モデルで理解する転写制御—核小体と転写コンデンセート
Transcription regulation and liquid-liquid phase separation
井手 聖
1,2
,
前島 一博
1,2
Ide Satoru
1,2
,
Maeshima Kazuhiro
1,2
1国立遺伝学研究所
2総合研究大学院大学
キーワード:
液-液相分離
,
核小体
,
転写コンデンセート
,
クロマチン
,
1分子顕微鏡
Keyword:
液-液相分離
,
核小体
,
転写コンデンセート
,
クロマチン
,
1分子顕微鏡
pp.234-239
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201681
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概要 細胞核の中には,転写やスプライシングなど遺伝子発現プロセスと密接に関わる高次構造体が存在し,核内ドメインと言われている。最近,それらの多くが液-液相分離によって形成される“液滴”であることが提唱された。相分離は溶液が均一に混じらず,分子濃度が高い相と低い相の2つに分離する現象である。特定の分子を濃縮したり,他の分子を排除することで,生化学反応の時空間的な制御を可能とする。本稿では核内最大の液滴である核小体と遺伝子発現時における転写コンデンセートを通して,相分離が転写に果たす役割について概説する。
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