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特集 脂肪移植の新展開――基礎から臨床へ
はじめに
Introduction
吉村 浩太郎
1
Kotaro YOSHIMURA
1
1自治医科大学形成外科
pp.119-119
発行日 2022年10月8日
Published Date 2022/10/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28302119
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- Abstract 文献概要
2022年度,脂肪移植が術式として保険収載された.保険適用は現時点ではまだ限定的ではあるが,今後拡大することが予想される.脂肪移植術は100年以上前から行われており,歴史は古く,主に美容目的に,体表の外観を改善するための充塡法として利用されてきた.しかし,その臨床成績の不確実性や壊死組織に伴う後遺症が長年問題とされてきた.今世紀に入り,脂肪移植生着の原理が解明され,生着を改善するための理論と技術が確立され,臨床成績も劇的に改善するに至った.さらに,脂肪組織内に間葉系幹細胞の豊富な存在が明らかになるとともに,脂肪移植に伴うさまざまな再生効果(治癒能や伸展能の改善,血流改善,線維化改善,リンパ流改善など)が臨床報告されるようになり,脂肪移植と幹細胞の効能が注目を浴びることになった.
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