Japanese
English
特集 脂肪移植の新展開――基礎から臨床へ
脂肪組織を利用した再生医療の展開
Perspective of regenerative medicine using adipose tissue
吉村 浩太郎
1
,
朝日 林太郎
1
,
森 正徳
1
Kotaro YOSHIMURA
1
,
Rintaro ASAHI
1
,
Masanori MORI
1
1自治医科大学形成外科
キーワード:
脂肪移植
,
再生治療
,
脂肪幹細胞(ASC)
,
血管内皮前駆細胞(AEPC)
,
培養上清
Keyword:
脂肪移植
,
再生治療
,
脂肪幹細胞(ASC)
,
血管内皮前駆細胞(AEPC)
,
培養上清
pp.151-154
発行日 2022年10月8日
Published Date 2022/10/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28302151
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皮下脂肪組織は,美容的には若さや女性らしさを表現するのに必須である.老化によってもたらされるのは皮下脂肪の増大(肥満)ではなく,萎縮である.体内で最も酸素分圧の高い脂肪組織に大量に含まれる脂肪幹細胞(ASC)と血管内皮前駆細胞(AEPC)は,予備能(治癒能,伸展能など)や血流など組織機能の源である.脂肪移植は,この豊富な機能細胞を移植して組織の機能を改善する治療としても大きな潜在性を持つ.脂肪移植は正しく(壊死しないように)作業が行われれば,さまざまな慢性炎症組織,変性疾患,線維性疾患の再生治療に応用可能であることがわかってきた.さらにその治療目的に応じて,脂肪組織やその構成細胞にさまざまな処理や加工をして,新しい再生治療ツールが提案されてきており,今後の研究の進展がおおいに期待される分野である.
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