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第1土曜特集 間質性肺疾患の研究と診療UPDATE
はじめに
Introduction
冨岡 洋海
1
,
菊地 利明
2
Hiromi TOMIOKA
1
,
Toshiaki KIKUCHI
2
1神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
2新潟大学医学部呼吸器・感染症内科
pp.1-1
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283011
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- Abstract 文献概要
HammanとRichが,急性で激烈な経過を取り死に至る原因不明の間質性肺炎剖検例を報告したのは1935年であった.以降,間質性肺疾患に関する研究は,主に形態学による疾患分類が中心となり,治療に結びつき,患者に恩恵を与える成果は得られない時代が長く続いた.その間,剖検から生検材料への転換,分子生物学の導入,高分解能CT(high resolution CT:HRCT)画像診断など,形態学の進歩に加え,疾患の挙動(disease behavior)を考慮することで,間質性肺疾患に対して経験的に行われてきた抗炎症治療(ステロイド)が効かない病態が浮かび上がってきた.その代表的疾患である特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は,慢性進行性の線維化を特徴とする予後不良の疾患であり,長い間,有効な治療薬がないままであった.
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