特集 呼吸器疾患2
2.慢性に経過する間質性肺炎—鑑別ポイントを浮き彫りにする呼吸器内科医の思考回路を追う
冨岡 洋海
1
Hiromi TOMIOKA
1
1神戸市立医療センター西市民病院 呼吸器内科
pp.243-257
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900040
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間質性肺炎は,肺の間質を主たる病変の場とする炎症性疾患の総称であり,びまん性肺疾患の代表格である。さまざまな疾患が含まれ,その病理像は多彩で,職業性や薬物など原因の明らかなものや,膠原病など全身性の疾患に付随して起こるもの,原因が特定できないものがある。
急性の呼吸困難を主訴に呼吸器内科外来を初診する急性経過の間質性肺炎と異なり,慢性に経過する間質性肺炎の患者は,非特異的な症状で一般外来を初診する場合がある。また,外来通院患者のなかに潜んでいる可能性もある。本稿では,こうした慢性経過の間質性肺炎について,症例をもとに,鑑別のポイントや治療の基本方針を実践的に解説する。
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