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第1土曜特集 結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断，治療，感染対策，発病予防
非結核性抗酸菌症
非結核性抗酸菌症の疫学
Epidemiology of nontuberculous mycobacterial disease
田中 健太郎
1
,
菊地 利明
1
Kentaro TANAKA
1
,
Toshiaki KIKUCHI
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器・感染症内科学分野
キーワード：
アンケート調査
,
死亡統計
,
微生物検査データ
,
レセプト情報
,
疫学調査
Keyword:
アンケート調査
,
死亡統計
,
微生物検査データ
,
レセプト情報
,
疫学調査
pp.676-681
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006676
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非結核性抗酸菌（NTM）症には正確な疫学データが世界的にも存在せず，それゆえさまざまな推計が試みられてきた．わが国ではアンケート調査が古くから行われており，2014年に行われた全国884施設からのアンケート調査では，肺NTM症の罹患率は上昇傾向で，菌陽性肺結核の罹患率を超えたことが明らかになった．その肺NTM症の9割近くが，肺MAC（Mycobacterium avium complex）症であった．そしてこれに相応するようなデータは死亡統計からの推計，微生物検査データからの推計，レセプト情報による疫学調査など，アンケート調査以外の手法を用いた疫学解析でも示されている．また同様の疫学解析データは，北米やオーストラリアを中心に日本国外でも蓄積されてきている．これらの疫学解析データを国内外で比べてみると，わが国は世界的にみても肺NTM症の罹患率が高いことが示唆されている．
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