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第1土曜特集 間質性肺疾患の研究と診療UPDATE
診療
過敏性肺炎
-――国際診断ガイドラインとわが国の診療指針
Hypersensitivity pneumonitis
――International Guidelines and Japanese Guideline
宮崎 泰成
1
,
冨岡 洋海
2
Yasunari MIYAZAKI
1
,
Hiromi TOMIOKA
2
1東京医科歯科大学病院呼吸器内科
2神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
キーワード:
非線維性
,
線維性
,
曝露評価
,
多分野による集学的検討(MDD)
,
抗原回避
Keyword:
非線維性
,
線維性
,
曝露評価
,
多分野による集学的検討(MDD)
,
抗原回避
pp.67-75
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2830167
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過敏性肺炎(HP)は臨床像から急性と慢性,また画像・病理から非線維性と線維性に分類される.曝露評価,胸部高分解能CT(HRCT)所見,気管支肺胞洗浄(BAL)液リンパ球分画・病理組織所見を参考に多分野による集学的検討(MDD)診断を行い,確信度を決める.曝露評価は環境曝露質問票と抗原曝露評価票を利用し,①臨床像,②発症環境,③免疫学的所見,の3項目から判断する.胸部HRCT・病理組織所見は,細気管支領域から病変が形成されることが重要な所見になる.現状,国際的に標準化された治療指針はないのが,『過敏性肺炎診療指針2022』では現時点における治療指針を提示している.治療の基本はあくまで抗原回避であり,患者指導が重要となる.エビデンスのある薬物療法はなく,ステロイド治療の限界を考慮し,ステロイド以外の抗炎症・免疫抑制治療が試みられており,さらに “進行性線維化を伴う間質性肺疾患” の効能・効果として,抗線維化薬が治療選択肢に加わった.今後,抗炎症治療と抗線維化治療の使い分け,併用に関するエビデンスの蓄積が課題である.
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