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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
小児の輸液療法再考
Revisit the fluid therapy in children
金子 一成
1
Kazunari KANEKO
1
1関西医科大学医学部小児科学講座
キーワード:
補充輸液
,
維持輸液
,
FEAST study
,
医原性低ナトリウム血症
,
張度
Keyword:
補充輸液
,
維持輸液
,
FEAST study
,
医原性低ナトリウム血症
,
張度
pp.477-483
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205477
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小児の輸液の主な目的は,嘔吐や下痢で喪失した水分・電解質の補充と,体液の恒常性維持である.輸液療法の基本概念は20世紀に欧米の小児科医(Ringer,Hartmann,Darrow,Gamble)によって確立された.しかし21世紀に入って,アフリカでの補充輸液に関する大規模な臨床研究(FEAST study)や医原性低ナトリウム血症という概念の出現により,その方法について見直しを迫られることになった.そして補充輸液や維持輸液に用いる溶液の電解質組成や張度,輸液量,速度について多くの検討がなされているが,いまだに結論は出ていない.筆者はプレシジョンメディシン(精密医療)とよばれる個別化医療が進む現代においては,小児の輸液療法も年齢別,疾患別,病態別に検討すべきではないかと考えている.
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