特集 小児輸液revisited―“いつもの輸液” を見直そう
Ⅰ 総論
4.維持輸液のポイント
堀之内 智子
1
,
野津 寛大
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科
キーワード:
維持輸液
,
4-2-1ルール
,
医原性低Na血症
,
ADH
,
抗利尿ホルモン
Keyword:
維持輸液
,
4-2-1ルール
,
医原性低Na血症
,
ADH
,
抗利尿ホルモン
pp.130-135
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001626
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維持輸液療法は,かつては3号液(3分の1生食)を4-2-1ルールに基づく投与量で行うことが一般的であった.しかし,非浸透圧刺激性ADH分泌による医原性低Na血症発症の可能性を少しでも低下させるため,現在は等張液で開始のうえ,必要に応じて輸液内の電解質を調節することが推奨されている.一方で等張液を用いた維持輸液においては低K血症,高Na血症のリスクがある.一律にすべての患者において同じマニュアルで輸液製剤を決めるのではなく,インアウトバランスを中心に患者の状態を適切に判断し,輸液の組成および投与量を決定する.また,経口補水が可能となった際は速やかに輸液を中止する.
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