特集 小児輸液revisited―“いつもの輸液” を見直そう
Ⅱ 各論
6.高ナトリウム血症・低ナトリウム血症
松村 和哉
1
1平塚市民病院小児科
キーワード:
高ナトリウム血症
,
低ナトリウム血症
,
有効循環血漿量
,
抗利尿ホルモン不適切分泌症候群
,
医原性低ナトリウム血症
Keyword:
高ナトリウム血症
,
低ナトリウム血症
,
有効循環血漿量
,
抗利尿ホルモン不適切分泌症候群
,
医原性低ナトリウム血症
pp.141-146
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001628
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血清ナトリウム(Na)濃度の異常は,日常診療における代表的な電解質異常である.低Na血症の頻度が高く,小児では胃腸炎,脱水に伴う急性低Na血症が多い.けいれん,意識障害を呈する急性重症低Na血症に対しては,高張食塩水輸液による迅速な対応が求められる.無症候性低Na血症に対する輸液の必要性は,個々の病態を把握したうえで判断される.医原性低Na血症に代表されるように,画一的な輸液は電解質異常のさらなる悪化を招く可能性がある.一方,高Na血症の頻度は低く,治療は欠乏する自由水の補充であるが体液量により方針が異なる.本稿では,血清Na異常に対する輸液治療を含めた基本的対応について述べる.
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