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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
小児難治性てんかん治療の進歩
Progress of the intractable epilepsy treatment in children
中川 栄二
1
Eiji NAKAGAWA
1
1国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療科,同脳神経小児科
キーワード:
難治性てんかん
,
新しいてんかん分類
,
新規抗てんかん薬
,
てんかん外科治療
Keyword:
難治性てんかん
,
新しいてんかん分類
,
新規抗てんかん薬
,
てんかん外科治療
pp.463-470
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205463
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2017年に国際抗てんかん連盟(ILAE)の用語・分類委員会は,てんかん発作とてんかん分類に関する新たな提言を行った.これまで,てんかん発作は1981年分類が,てんかんは1989年分類が用いられてきたが,今後はこの新しい2017年分類が国際標準になる.てんかん罹患率は0.8~1.0%であり,てんかんの発症は乳幼児に多く,小児では一時的な寛解が認められるが,再発も多く,思春期などで経過が変動しやすい.てんかん患者の70~80%は1~2剤の抗てんかん薬によって数年以内に発作が消失するが,20~30%の患者では適切な薬物治療にもかかわらず発作が抑制されずに難治性てんかんと診断されている.わが国では,ここ10年間で新規の抗てんかん薬が相次いで発売されるようになった.わが国でてんかん治療に用いられる薬剤は20種類を超えるが,2006年以降に承認された新規抗てんかん薬が10剤を占めている.てんかんの薬剤治療を行っていても治療効果が得られない場合は,てんかん診断の見直しや併存症状の有無,薬剤選択の再検討,外科的治療の適応を含めて,てんかん専門施設での再評価を検討すべきである.
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