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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
Biopsychosocialで考える小児のCOVID-19
Biopsychosocial aspects of COVID-19 in children
宮入 烈
1
Isao MIYAIRI
1
1浜松医科大学小児科学講座
キーワード:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
生物心理社会(biopsychosocial)
,
ワクチン
,
予防接種ストレス関連反応(ISRR)
Keyword:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
生物心理社会(biopsychosocial)
,
ワクチン
,
予防接種ストレス関連反応(ISRR)
pp.405-411
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205405
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あらゆる疾病は生物医学的(biological)要素以外に,患者の心理的(psychological)・社会的(social)要素の相互作用下にある.小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は比較的軽症で死亡例も国内では少数にとどまるのに対し,その間接的な影響は未罹患者にも及んでおり,抑うつや不登校の患者増加が確認されている.2020年における児童生徒の自殺者が2019年比で100人も増加したことに鑑みると,小児におけるCOVID-19の最大の疾病負荷はpsychosocialな側面にあると考えられる.2022年1月以降,オミクロン株の台頭で小児感染者が急増し,熱性痙攣や小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)患者も増え,biologicalな負荷も無視できない状況である.一方で,ワクチンの有効性が相対的に低下したことや,接種後の副反応への懸念があり,接種の是非をめぐっては医療者においても明確なコンセンサスはない.COVID-19に対する小児の診療は医学的な見地にとどまらず,biopsychosocialな影響を総合的に捉え,子どもへの支援や画一的でない感染対策や予防接種のあり方を模索する必要がある.
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