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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠関連疾患
【トピック】
COVID-19パンデミックにおける不眠
Insomnia during the COVID-19 pandemic
松井 健太郎
1
Kentaro MATSUI
1
1国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部睡眠障害検査室
キーワード:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
不眠
,
睡眠・覚醒リズム
Keyword:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
不眠
,
睡眠・覚醒リズム
pp.1030-1034
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281101030
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは,世界的流行から2年以上が経過した現在も収束の目処は立っていない.COVID-19罹患者では中枢性の浸潤や全身の炎症反応など身体的な機序から高率に睡眠の問題が生じ,一部の患者では回復後も不眠症状が持続することが示された.非罹患者においても,COVID-19流行に伴うロックダウンなどの公衆衛生的措置は社会同調因子を阻害し,時間生物学的リズムの障害につながった.パンデミックによって生じた生活・労働・社会環境の変化,ストレスや不安,抑うつなど,さまざまな要因により睡眠の問題が生じる可能性が示されたほか,社会的つながりを維持することの重要性も指摘されてきている.パンデミック下の不眠症状に対しては,デジタルデバイスなどを使用した遠隔睡眠介入プログラムの効果が示されてきており,将来的により実用性に富んだデバイスやソフトウェアの開発が期待される.
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