Japanese
English
特集 心筋炎――医療と医学の最前線
COVID-19ワクチン関連心筋炎
Myocarditis After COVID-19 Vaccination
大森 拓
1,3
,
土肥 薫
2
Taku OMORI
1,3
,
Kaoru DOHI
2
1三重大学大学院医学系研究科組織学・細胞生物学
2同循環器・腎臓内科学
3同三重大学病院循環器内科
キーワード:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
ワクチン
,
副反応
,
心筋炎
,
臨床像
,
病理組織
Keyword:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
ワクチン
,
副反応
,
心筋炎
,
臨床像
,
病理組織
pp.1008-1012
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282111008
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの副反応として,急性心筋炎が知られるようになった.欧米における大規模調査により,このCOVID-19ワクチン関連心筋炎は非常に頻度が低いこと,および臨床像の特徴として若年男性で多いこと,2回目接種後3日以内の発症が多いこと,胸痛症状が多いことなども明らかになっている.また,ほとんどが軽症であることなどから,この副反応が知られるようになった今日でもCOVID-19ワクチン接種の利益は副反応の不利益を大幅に上回るとされ,ワクチン接種が強く推奨されている.しかし,たとえ頻度がきわめて低くとも,その接種人数の多さからある一定数のCOVID-19ワクチン関連心筋炎の発症は避けられない.また一部で劇症化するケースも報告されている.このことから,COVID-19ワクチン関連心筋炎は決して軽視できない問題である.現時点でワクチン接種による心筋炎発症の機序は明らかにされていないが,心筋の病理組織学的な観察がその解決の糸口となる可能性がある.
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