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特集 A型・E型肝炎の最新動向
【E型肝炎】
E型肝炎の遺伝子診断・ゲノム解析
Genetic diagnosis and genomic analysis of hepatitis E
高橋 和明
1
Kazuaki TAKAHASHI
1
1東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野
キーワード:
E型肝炎ウイルス(HEV)
,
HEV genotype
,
HEV subtype
,
Nested RT-PCR法
,
リアルタイムRT-PCR
,
サンガー法
,
次世代シーケンス法(NGS)
Keyword:
E型肝炎ウイルス(HEV)
,
HEV genotype
,
HEV subtype
,
Nested RT-PCR法
,
リアルタイムRT-PCR
,
サンガー法
,
次世代シーケンス法(NGS)
pp.141-147
発行日 2022年7月9日
Published Date 2022/7/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28202141
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E型肝炎ウイルス(HEV)はヒトの急性肝炎,劇症肝炎(急性肝不全)および慢性肝炎の重要な原因となっている.HEVは多面的なウイルスである.感染経路は,発展途上国では主に糞口経路からの水系感染であるが,先進国では主に人獣共通感染症によるものと輸血や臓器移植にもみられる.また,さまざまな肝外病変にも関連している.HEVの血清学的診断については,IgA/IgM-HEV抗体検査が行われており,日本ではIgA-HEV抗体検査が保険適用になっている.HEVの遺伝子診断については,初期はnested RT(reverse transcription)-PCR法であったが,現在ではリアルタイムRT-PCRの評価が行われ,HEV遺伝子診断に広く使われている.また,HEVは免疫不全患者における慢性肝炎の原因として浮上しており,これらの患者のモニタリングにHEV遺伝子検査が重要になっている.ゲノム解析については,分子疫学および病原性解析などに役立つHEV全ゲノム配列が必要とされているが,ほとんどがサンガー法によって得られた部分ゲノム配列によるデータ登録である.最近,次世代シーケンス法(NGS)によりHEV全ゲノム解析が行われるようになった.
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