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特集 A型・E型肝炎の最新動向
【E型肝炎】
E型肝炎ウイルスワクチン開発の現状
Current progress in development of hepatitis E virus vaccines
國田 智
1
Satoshi KUNITA
1
1自治医科大学実験医学センター
キーワード:
経口感染肝炎
,
動物由来感染
,
組換えキャプシドタンパク質
,
ウイルス様粒子(VLP)
,
動物モデル
Keyword:
経口感染肝炎
,
動物由来感染
,
組換えキャプシドタンパク質
,
ウイルス様粒子(VLP)
,
動物モデル
pp.148-152
発行日 2022年7月9日
Published Date 2022/7/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28202148
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E型肝炎は,水系感染と動物由来感染の主に2種類の伝播様式でE型肝炎ウイルス(HEV)が経口感染することで発生する肝疾患である.途上国における水系感染の予防策として,この20年近くにわたってワクチン開発が行われており,遺伝子組換えタンパク質でウイルス様粒子(VLP)を形成させた世界初のHEVワクチンが2012年に中国で実用化された.しかし,その使用は限定的であり,安全性,免疫原性,有効性に関する知見の集積が通常ワクチンとしての普及のために必要である.一方,わが国を含む先進国での動物由来感染症としてのHEV感染が近年増加しており,その対策としてHEVの主なリザーバーであるブタの清浄化が望まれる.将来的には,人獣共通のHEV株に有効なワクチンを開発することで,感染源であるブタからのHEVの排除,ならびに高リスク集団の人々の感染予防に応用することが期待される.
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