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特集 体細胞モザイク――後天的ゲノム変化がもたらす未来
大腸における体細胞モザイクとクローン拡大
Somatic mosaicism and clonal expansion in the colon
垣内 伸之
1,2,3
Nobuyuki KAKIUCHI
1,2,3
1京都大学白眉センター
2京都大学大学院医学研究科消化器内科学
3京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学
キーワード:
大腸のクローン拡大
,
潰瘍性大腸炎(UC)
,
IL-17シグナル経路
,
自然選択
,
NFKBIZ
Keyword:
大腸のクローン拡大
,
潰瘍性大腸炎(UC)
,
IL-17シグナル経路
,
自然選択
,
NFKBIZ
pp.1226-1233
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281131226
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近年,正常組織における体細胞変異の解析技術が向上し,さまざまな臓器で加齢に従った遺伝子変異の蓄積や変異クローンの拡大について報告されてきている.これら正常組織におけるクローン拡大は発がんの起源となるのみならず,他臓器疾患の発症に関与するなど,大きな注目を集めている.本稿ではまず,健常大腸における上皮細胞の遺伝子変異の蓄積および生涯にわたる大腸陰窩の拡大履歴について述べる.次に,慢性炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎(UC)患者の解析から,炎症が変異蓄積速度や変異クローン拡大,そして変異クローンの陽性選択に及ぼす影響を解説する.最後に,発がん過程で陽性と陰性に選択された遺伝子変異の解析から,新たな大腸がんの脆弱性に関する知見について紹介する.
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