Japanese
English
TOPICS 糖尿病・内分泌代謝学
メタボリックシンドロームの病態制御に新しい考え方をもたらした代謝産物センサー分子の同定
Identification of a metabolite sensor that can be the core of a new framework to understand the molecular underpinnings of metabolic diseases
関谷 元博
1
Motohiro SEKIYA
1
1筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科
pp.1234-1235
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281131234
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メタボリックシンドローム病態と治療における課題
肥満に起因する2型糖尿病の治療薬はインスリン作用の増強に基づくものが大多数を占めてきたが,インスリン作用が同化作用を有することから肥満や脂肪肝の助長などがあり,メタボリックシンドロームの根本治療となり切れない問題点があった.またたとえば肝臓においてインスリン作用は糖新生を抑制して血糖降下作用を示す一方,脂質合成は増強して脂肪肝の増悪につながりうるが,肥満におけるインスリン抵抗性では不思議なことにこの逆にならない,糖新生・脂質合成とも増強しているというパラドックスが存在していた.こうした背景にはわれわれがいまだにメタボリックシンドロームの病態を理解しきれていないこと,そこに根本的な治療の標的となりうる分子基盤が存在していることを示唆していた.
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