雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 295, Issue 9 （November 2025）

医学のあゆみ 295巻9号（2025年11月発行）

Japanese English

第5土曜特集心不全診療の未来戦略――ゲノム，AI，多臓器連関が拓く新時代

多臓器連関という視点から捉える心不全

心血管疾患における体細胞モザイクとクローン性造血 Somatic mosaicism and clonal haematopoiesis in cardiovascular disease 佐野宗一 ¹ Soichi SANO ¹ ¹国立循環器病研究センター心血管モザイク研究室キーワード：体細胞モザイク , 多様性の崩壊 , 細胞進化 , クローン性造血 , 炎症 Keyword: 体細胞モザイク , 多様性の崩壊 , 細胞進化 , クローン性造血 , 炎症 pp.814-818

発行日 2025年11月29日 Published Date 2025/11/29

DOI https://doi.org/10.32118/ayu295090814

PDF(1537KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

　ヒトの加齢に伴い，細胞内の遺伝子に体細胞変異が蓄積し，異なる遺伝情報を持つ細胞が混在する “体細胞モザイク” が生じる．環境適応に有利な変異を持つ細胞はクローンを形成し，特定の細胞集団が “ひとり勝ち” することで組織の多様性や秩序が損なわれ，炎症や疾患の引き金となる場合がある．血液幹細胞でのこの現象はクローン性造血とよばれ，近年，心不全や動脈硬化などの心血管疾患との関連が明らかになってきた．本稿では，体細胞モザイクおよびクローン性造血が加齢関連疾患の発症基盤として果たす役割を概説し，これらを標的とした個別化医療の可能性を展望する．