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特集 体細胞モザイク――後天的ゲノム変化がもたらす未来
体細胞モザイクと感染症
Mosaic chromosomal alternations(mCA) and infectious diseases
劉 暁渓
1
Xiaoxi LIU
1
1理化学研究所生命医科学研究センターゲノム解析応用研究チーム
キーワード:
体細胞モザイク(mCA)
,
感染症
,
加齢
Keyword:
体細胞モザイク(mCA)
,
感染症
,
加齢
pp.1203-1207
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281131203
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これまでの研究で,体細胞モザイク(mCA)は高齢者に多く,避けられない可能性が高いことがわかっていたが,mCAが人の健康に及ぼす影響についてはまだ十分に解明されていない.mCAは,T細胞やB細胞などの白血球を含む血液細胞のクローナルな増殖と,それに伴う多様性の低下を反映している.これらの細胞は,獲得免疫や抗原特異的免疫反応に関与しており,T細胞多様性の損失は感染症に対する抵抗力を低下させる可能性がある.最近,mCAと感染症との関連性が報告され,mCAを保有する人は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含む感染症にかかりやすくなる可能性があることがわかってきた.このようなデータの蓄積は,mCAを新しいバイオマーカーとして活用し,感染症を発症するリスクが高い人を予測できる可能性を示している.
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