特集 変貌する感染症
【ミニレクチャー】
感染症の起因病原体の診断法
松本 哲哉
1,2
1東京医科大学微生物学講座
2東京医科大学病院感染制御部
キーワード:
感染症
,
起因病原体
,
迅速診断
,
イムノクロマト法
,
PCR
Keyword:
感染症
,
起因病原体
,
迅速診断
,
イムノクロマト法
,
PCR
pp.578-580
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101461
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感染症の診断の大きな2つの柱として,「疾患名の決定」と「起因病原体の診断」の2つがある.たとえば,肺炎や尿路感染という疾患名が付いたとしても,起因病原体が不明の状態では適切な治療に結びつけることはできない.ただし感染症の起因病原体の診断にはこれまで数日あるいはそれ以上の時間を要していたため,経験的に起因病原体を推測して抗菌薬を選択するエンピリック治療(J1)が行われていた.しかし,最近ではPCR(polymerase chain reaction)をはじめとする分子生物学的アプローチや,イムノクロマト法(J2)などによる簡便な抗原検出法が開発され,より迅速に起因病原体を明らかにし,治療に役立てられるようになり臨床の現場でも感染症をとりまく状況は変化がみられるようになった.
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