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Ⅰ.はじめに
COVID-19は、2019年12月に中国武漢で発生し、30日中国国立保健委員会へ報告後、1月1日武漢の海鮮市場が閉鎖されました。1月13日タイでの第1例が発症し、16日は日本で、19日は韓国でと続き、30日にWHOは、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を発表し、3月11日に「パンデミック」を宣言しました。
その後、日本の新型コロナウイルス感染症の状況は、5月22日現在の国内における空港の検疫などを含め1万6,518人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて1万7,230人となっています。亡くなった人は、国内で感染した人が799人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて812人です。世界の感染者が、累計500万人を超え、5月21日、過去24時間での増加数が10万人超と過去最多を記録し、死亡者数は32.8万人に至っています。世界の各国でのアウトブレイクの状況は刻々と変化し、欧米で勢いが鈍化する中、中南米で深刻化しています。WHOは、当初COVID-19の致死率(致死率=死亡症例数/感染症例数)は2%程度との見解を出しましたが、ランセットには推定値0.66%の論文が掲載されました。これは、重症急性呼吸器症候群(SARS)10%や中東呼吸器症候群(MERS)37%ほど致命的ではないものの、インフルエンザの死亡率0.1%に比べると、はるかに高いと言えます。新興感染症-未知のウイルスで、治療法が確立していない、症状もわからない感染症に対する脅威、また連日報道される過去に経験のない先の見えない膨大な情報は、不安や恐怖を掻き立て、ストレスや不眠となり、風評被害、心理、社会的異常行動を導き、さらに経済活動への影響が将来に対する希望を絶望への導き、人間関係のトラブルや生命にまで影響を与えようとしています。
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