FORUM 中毒にご用心――身近にある危険植物・動物・Vol.12
アサリ(麻痺性貝毒,下痢性貝毒)
-――潮干狩りで採取して食べたら
世良 俊樹
1
1広島大学病院高度救命救急センター
pp.859-862
発行日 2022年5月21日
Published Date 2022/5/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28108859
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貝毒とは
貝も生きるためにエサを食べる.二枚貝(アサリ,カキ,ホタテガイ,アカガイなど)は海水中に浮遊している植物プランクトンをエサとしているが,そのなかには有毒物質を持った種類(日本では主に渦鞭毛藻類*)がいる.海域でそれらのプランクトンが大量発生すると,二枚貝は必然的に有毒物質を産生・保有するプランクトンを多く食べることになり,ヒトに有害な毒が徐々に蓄積されることで貝が毒化していく(貝毒).なお,二枚貝自体は毒を産生しない.二枚貝以外にも,巻き貝であるトコブシ,貝ですらないホヤや,毒化した貝を食べたと思われるカニ類からも毒成分が検出されている.
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