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アサリ及びカキの毒成分の本態に關する研究
八田 貞義
1
,
板井 孝信
1
,
宮本 晴夫
1
1國立衞生試驗所
pp.171-174
発行日 1950年3月15日
Published Date 1950/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200607
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Ⅰ.まえがき
昭和24年3月下旬に靜岡縣の濱名湖畔の舞阪町と新居町にアサリ及びカキ中毒事件が發生した。靜岡縣當局の報告によるとアサリ中毒患者は舞阪町に60名(内死亡2名),篠原村2名(内死亡1名),新居町5(内死亡1名)計67名であつて,そのうち4名は死亡した(致命率6%),カキ中毒患者は新居町の36名で,そのうち3名の死亡者を出した(致命率8%),
當地方は昭和17年3月下旬にアサリの集團食中毒によつて總數334名の患者と114名の死亡者を,翌18年3月新居町に18名のカキ中毒患者と6名の死亡者を,出すの慘事を惹起しており,當時當試驗所の松尾1)秋葉服部2)等の諸氏により,その本態についての情細なる研究がなされ,また著者の一人八田も傳染病研究所に於てこの事件の細菌學的方面に專心したが,未だ中毒物質の本態については緒論に到達し得なかつた。
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