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English
第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
病態研究
膵組織所見から1型糖尿病の成因を探求する
Exploring the pathogenesis of type 1 diabetes from pancreatic pathology in human
福井 智康
1
Tomoyasu FUKUI
1
1昭和大学内科学講座糖尿病代謝内分泌学部門
キーワード:
1型糖尿病
,
膵島炎
,
膵重量
,
Pseudo-atrophic islet
Keyword:
1型糖尿病
,
膵島炎
,
膵重量
,
Pseudo-atrophic islet
pp.711-716
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106711
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1型糖尿病の成因研究は多くの研究者により病変の主座である膵島を中心に研究が行われてきたが,いまだに原因は解明されていない.1型糖尿病は,発症以前の膵島関連自己抗体が陽性の時期(preclinical stage)に膵サイズ,膵外分泌腺機能が低下していることが明らかになってきており,膵臓の99%を占める膵外分泌腺領域が膵島の炎症に先行して異常をきたしている可能性がある.膵外分泌腺に膵島抗原(preproinsulin)に反応する自己反応性T細胞が1型糖尿病ドナー膵から検出され,成因との関連性が注目されている.本稿では,劇症1型糖尿病,急性発症(自己免疫性)1型糖尿病,緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)の膵組織を膵島,膵外分泌腺,膵管に分け概説する.
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