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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
糖尿病・脂質代謝
1型糖尿病
-――劇症,急性発症,緩徐進行(3つのサブタイプ)
Type 1 diabetes as three distinguished subtypes
今川 彰久
1
Akihisa IMAGAWA
1
1大阪医科薬科大学内科学Ⅰ
キーワード:
1型糖尿病
,
劇症
,
急性発症
,
緩徐進行
Keyword:
1型糖尿病
,
劇症
,
急性発症
,
緩徐進行
pp.774-779
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090774
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1974年に1型糖尿病患者の血清中にICAとよばれる自己抗体の存在が報告され,剖検での膵島炎の所見,HLAとの関連などとあわせて “1型糖尿病=自己免疫疾患(a chronic autoimmune disease)” という考え方が定着した.現在の典型的な1型糖尿病は,日本では “急性発症1型糖尿病” とよばれ,欧米の1型糖尿病ともほぼ同義である.また,2型糖尿病のように発症した糖尿病患者においてICA陽性者が存在し,そのなかからインスリン分泌が進行性に低下する患者が見出され,SPIDDM(slowly progressive IDMM)と名づけられた.一方で筆者らは,自己抗体が陰性であるが,ウイルス感染などを契機に最短では数日間で膵β細胞のほぼすべてが破壊され,ケトアシドーシスにまで急速に進行する劇症1型糖尿病の存在を明らかにした.最近では,免疫チェックポイント阻害薬投与に関連して発症する1型糖尿病も報告されている.このように1型糖尿病は発症・進行の様式によって,3つのサブタイプ(劇症,急性発症,緩徐進行)に分類され,病態の解明が進んでいる.
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