Japanese
English
第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
病態研究
1型糖尿病における膵島特異的細胞性免疫
Islet antigen specific cellular immunity in type 1 diabetes
島田 朗
1
Akira SHIMADA
1
1埼玉医科大学内分泌糖尿病内科
キーワード:
1型糖尿病
,
T細胞
,
インスリン
,
GAD
,
NODマウス
Keyword:
1型糖尿病
,
T細胞
,
インスリン
,
GAD
,
NODマウス
pp.707-710
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106707
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1型糖尿病は,膵島抗原を標的とする自己免疫疾患と考えられている.その本質は膵島抗原特異的T細胞の機能異常であり,動物モデル,ヒト1型糖尿病,双方において,その標的抗原としてインスリン,GAD,IGRPといったものがあるが,そのなかでもインスリンが主要なものと考えられている.最近では,インスリンペプチドを含む新規抗原がその標的抗原として重要ではないかとする報告もある.ただし,膵島抗原特異的細胞性免疫をヒト1型糖尿病において制御できるかどうかはいまだ示されていないのが現状である.1型糖尿病発症後については,複数の抗原に対する免疫応答が存在すると考えられ,抗原非特異的な介入により病態を制御する必要がある.膵島抗原特異的な介入が可能だとすると,1型糖尿病を発症するリスクの高い第一度近親者などを対象とした1型糖尿病発症抑制を目指した介入になると推察される.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.