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第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
病態研究
1型糖尿病の遺伝素因
Genetic predisposition to type 1 diabetes
庭野 史丸
1
,
能宗 伸輔
1
,
池上 博司
1
Fumimaru NIWANO
1
,
Shinsuke NOSO
1
,
Hiroshi IKEGAMI
1
1近畿大学医学部内分泌・代謝・糖尿病内科
キーワード:
1型糖尿病
,
疾患感受性遺伝子
,
HLA遺伝子
,
全ゲノム関連解析(GWAS)
Keyword:
1型糖尿病
,
疾患感受性遺伝子
,
HLA遺伝子
,
全ゲノム関連解析(GWAS)
pp.679-683
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106679
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1型糖尿病は,膵β細胞の破壊性病変によって内因性インスリン分泌が絶対的な欠乏状態に至り発症する.1型糖尿病の発症には遺伝素因が関与するが,1つの遺伝子変異により発症する “単一遺伝子疾患” とは異なり,複数の遺伝因子を有する個体になんらかの環境因子が加わることにより発症する “多因子疾患” であり,これまで多くの疾患感受性遺伝子座が報告されている.これらの疾患感受性遺伝子座を同定するために,当初は候補遺伝子アプローチが頻用されてきたが,2000年代の技術革新以降は欧米を中心にランダムマーカーアプローチとしての全ゲノム関連解析(GWAS)が行われるようになり,さらに多くの疾患感受性遺伝子座が同定されている.一方で,東アジア諸国における1型糖尿病は,欧米とは疫学的特徴が異なり,さらにサブタイプの分布にも人種差があることから,わが国における遺伝素因を掌握するためにはわが国特有の遺伝因子の解明が必要不可欠である.
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