特集 小児の糖尿病―最近の知見
1.1型糖尿病の病因と病態生理
松浦 信夫
1
1市立美唄病院小児科
キーワード:
1型糖尿病
,
小児インスリン治療研究会
,
HLA遺伝子
,
膵島自己抗体
,
発症阻止研究
Keyword:
1型糖尿病
,
小児インスリン治療研究会
,
HLA遺伝子
,
膵島自己抗体
,
発症阻止研究
pp.1449-1456
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001064
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1型糖尿病の病因,病態について,最近の文献を検索し概説した.発症率の低いわが国において,小児インスリン治療研究会(JSGIT)が結成され,欧米に匹敵する,1,000名以上の症例を対象とした研究成果が公表されている.分類,疫学について解説し,次いで病因としてのHLA遺伝子,抗膵島抗体について最近の進歩を述べた.最後に発症前後の膵島の病態生理について概説した.世界の趨勢をみると,最も頻度の高い,フィンランドでは,急速に増加した後,ほぼ横ばいにある.これに対し,ヨーロッパ諸国,米国では増加傾向にあり,わが国は,ほぼ横ばいの状態であった.両親,兄弟のHLA遺伝子解析が,わが国で初めて明らかにされた.
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