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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【腫瘍別の免疫作動薬の現状と展望(単剤→併用・新規)】
泌尿器科がん(腎細胞がん・尿路上皮がん)への免疫療法
-――特殊性と類似性
Current status and future directions in immunotherapy for urinary kidney and urothelial cancer
田中 伸之
1
Nobuyuki TANAKA
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
キーワード:
腎細胞がん
,
尿路上皮がん
,
免疫療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
腎細胞がん
,
尿路上皮がん
,
免疫療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.469-475
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105469
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免疫療法の登場に伴い,がん治療は新たな変革期を迎えている.泌尿器科がんは腎細胞がん,尿路上皮がん(いわゆる膀胱がん,腎盂尿管がん),前立腺がんが主であるが,このうち腎細胞がん,尿路上皮がんが,抗PD-1/PD-L1抗体への反応が強い免疫感受性腫瘍である.両者は固形がんにおけるがん免疫療法の先がけであるが,同じ泌尿器科臓器でも生物学的特徴に真逆の要素が多い.腎細胞がんは古典的には抗がん剤や放射線治療に抵抗性であるが,尿路上皮がんは両治療に感受性を有する.そのため尿路上皮がんの全身治療は,がん免疫療法時代においても化学療法が重要である.また,腎細胞がんの遺伝子変異には挿入/欠失(インデル)が多く,尿路上皮がんを含めた多くのがん種と遺伝学的な立ち位置も異質である.本稿では,腎細胞がん,尿路上皮がんへの免疫療法の現状や展望に加えて,バイオマーカー開発や泌尿器科がんの腫瘍免疫環境における特殊性について述べる.
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