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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【腫瘍別の免疫作動薬の現状と展望(単剤→併用・新規)】
非小細胞肺がんの免疫療法
-――開発中の免疫療法を中心に
Emerging immunotherapy in non-small-cell lung cancer
水野 孝昭
1,2
,
山本 昇
1
Takaaki MIZUNO
1,2
,
Noboru YAMAMOTO
1
1国立がん研究センター中央病院先端医療科
2同研究所ゲノム生物学研究分野
キーワード:
非小細胞肺がん(NSCLC)
,
免疫療法
,
抗PD-1抗体
,
臨床試験
,
開発
Keyword:
非小細胞肺がん(NSCLC)
,
免疫療法
,
抗PD-1抗体
,
臨床試験
,
開発
pp.459-468
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105459
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非小細胞肺がん(NSCLC)は,世界中で最も死亡数の多いがん種のうちのひとつであるが,その高い免疫抗原性が免疫療法の標的となり,開発が進んできた.抗PD-(L)1抗体をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療が,この致死的な疾患の治療にはなくてはならない強力な手札として加わり,Ⅳ期のNSCLCの生存期間中央値は2年に迫ってきている.一方で,ICIの奏効率はPD-L1などのバイオマーカーで患者選択をしても50%未満にとどまり,製薬企業各社は耐性機序の解明・克服,さらなる免疫療法の併用療法の開発を進めていくなかで,自社製の抗PD-(L)1抗体の開発にも乗り出している.現在開発中/承認済み抗PD-(L)1抗体の数は20を超え,それに無数の併用療法の開発が進められている.実際にランダム化比較試験を乗り越えた併用療法もでてきており,臨床家としては今後どのような治療選択をしていくべきなのか,頭を悩ませるところでもある.本稿では,NSCLC領域で開発中の免疫療法を中心に解説する.
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