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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
ネットワークの各因子と,その因子を応用or標的とした基礎研究の現在と可能性
【がん微小環境TME内の免疫ネットワーク解明の研究手段】
免疫組織化学技術の勘どころとマルチプレックス免疫組織化学の特性
Technological key points of immunochemistry and characteristic features of multiplex immunohistochemistry
佐藤 永一
1
Eiichi SATO
1
1東京医科大学医学総合研究所 病理・画像部門
キーワード:
免疫組織化学(IHC)
,
多重標識
,
定量形態学
,
数理形態学
Keyword:
免疫組織化学(IHC)
,
多重標識
,
定量形態学
,
数理形態学
pp.415-421
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105415
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免疫組織化学(IHC)は,診断や治療に直結するバイオマーカーを探索し,同定するための技術として非常に有用である.市販キットが普及して気軽に使用できるようになった反面,観察者のバイアスが加わった,恣意的な解釈がなされがちでもある.IHCでは,適切な材料を目的にかなった技術で標識し,妥当な手法で解析する必要があり,そのとくに留意すべきポイントについて再確認しておく.近年普及しているマルチプレックスIHC(mIHC)は,組織形態や標的の発現を再現性よく定量化する革新的な技術である.とくに多種多様な細胞や細胞外基質の相互作用が生じる場である腫瘍微小環境(TME)の解析に,mIHCはきわめて強大な威力を発揮するものと期待される.多様なmIHC技術が開発されており,各研究計画に応じた手法を選択する必要があるが,安定した標識法はほぼ確立されている.一方,mIHCでは出力されたデータの解析法の開発は残された課題であり,今後の展望も含めて概説する.
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