増刊号 血液・尿以外の体液検査法
資料
免疫組織化学
覚道 健一
1
1東海大学医学部病理学教室
pp.870-873
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900261
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原理と種類
免疫組織化学とは,特異的に反応する抗体を用いて組織(細胞)中の抗原の局在を検出する方法である.抗原抗体反応は高い特異性と感度を持っているが,そのままでは光学顕微鏡的に検出できないため,抗原の局在を可視的なものとするために種々の方法が考案されている(表1).一般によく用いられているものとしては,蛍光色素を標識する蛍光抗体法と,酵素を標識する酵素抗体法がある.一次抗体には標識せず,アビジンとビオチンを介して間接的に標識する力法(ABC法,avidin-biotin peroxidase complex法)や,ペルオキシダーゼと抗ペルオキシダーゼ抗体の複合物を二次抗体を介して一次抗体に標識する方法(PAP法,peroxidase-antiperoxiadse法)も一般に酵素抗体法の中に含めて呼ばれている.
蛍光抗体法は高い感度を持っているが,標本の保存ができないこと(退色する),蛍光顕微鏡が必要なこと,電顕的観察ができないことなどの理由で,われわれは酵素標識による免疫組織化学を日常用いている.
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