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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
ネットワークの各因子と,その因子を応用or標的とした基礎研究の現在と可能性
【がん微小環境TME内の免疫ネットワーク解明の研究手段】
フローサイトメトリー,マスサイトメトリーを用いた腫瘍微小環境の病態解明
Analyses for a tumor microenvironment using flow cytometry and mass cytometry
長﨑 譲慈
1,2
,
冨樫 庸介
2
Joji NAGASAKI
1,2
,
Yosuke TOGASHI
2
1岡山大学学術研究院医歯薬学域腫瘍微小環境学分野
2大阪公立大学大学院医学研究科血液腫瘍制御学
キーワード:
腫瘍微小環境
,
フローサイトメトリー
,
マスサイトメトリー
,
腫瘍浸潤リンパ球
,
がん免疫療法
Keyword:
腫瘍微小環境
,
フローサイトメトリー
,
マスサイトメトリー
,
腫瘍浸潤リンパ球
,
がん免疫療法
pp.422-427
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105422
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腫瘍微小環境でがん細胞は複雑なネットワークを介して自己に有利な環境を形成している.がん免疫療法はがん細胞に有利な腫瘍微小環境をがん細胞にとって不利な環境に変化させて免疫細胞による抗腫瘍効果を発揮させるが,これらのメカニズムを詳細に解明することは耐性化の克服や新規治療法の開発につながる.安価で簡便に使用できるフローサイトメトリーはシングルセルレベルで解析するツールとして従来から広く使用されており,さらに40分子程度のタンパク質を同時に解析できるマスサイトメトリーが登場したことで,より詳細な分析が可能になり,これらは腫瘍微小環境の解析でも使用されている.近年は腫瘍微小環境で抗腫瘍免疫応答の中心的役割を果たすexhausted T細胞の詳細や,CD4陽性T細胞を含む他の細胞とCD8陽性T細胞の関連性が徐々に解明されてきている.シングルセルレベルでの解析手法が発展することで,より詳細な腫瘍微小環境の解明が期待される.
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