増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
VI 病理
総論
4 免疫組織化学
鎌田 孝一
1
,
中村 勝
1
,
安田 政実
1
1埼玉医科大学国際医療センター病理診断科
pp.1221-1226
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102623
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はじめに
免疫組織化学は,抗原抗体反応の特異性に基づいて組織中の物質を同定する方法である.今日の病理検査では免疫組織化学は病理診断の補助的方法にとどまることなく,診断の確定,予後の推定や分子標的物質の局在と治療効果の判定など診療の場に重要な方法となっている.単に“染まった”,“染まらない”といった定性的観察ではなく,ハーセプテストなどでは染色強度,細胞数,分布など半定量的な評価が不可欠となっている.そのため,免疫組織化学の精度管理は,病理検査の重要課題となっている.
本稿では,免疫組織化学の結果に影響する事象を中心に,最適な染色態度を得るための「子細・工夫」について説明する.
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