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特集 腸内細菌と免疫
がん免疫応答と腸内細菌
Anti-tumor immune response and gut microbiome
福岡 聖大
1
,
西川 博嘉
1,2,3
Shota FUKUOKA
1
,
Hiroyoshi NISHIKAWA
1,2,3
1国立がん研究センター先端医療開発センター免疫TR分野
2同研究所腫瘍免疫研究分野
3名古屋大学大学院医学系研究科 微生物・免疫学講座 分子細胞免疫学
キーワード:
腸内細菌叢
,
大腸がん
,
Fusobacerium nucleatum
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
腸内細菌叢
,
大腸がん
,
Fusobacerium nucleatum
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.773-777
発行日 2021年8月28日
Published Date 2021/8/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27809773
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腸内細菌叢は免疫系に働きかけ,非自己に対する免疫監視と自己に対する免疫寛容の調節において重要な役割を果たす.一方で,特定の腸内細菌叢は大腸がんの発生や炎症性腸疾患などの自己免疫疾患にも影響することが示されてきた.また,腸管以外の臓器のさまざまながんの腫瘍内の炎症細胞や免疫細胞へも作用し,免疫チェックポイント阻害薬を含むがん薬物療法の効果に影響を与えることも明らかになっている.測定方法の違いや地域差などデータを解釈するうえで課題はあるものの,腸内細菌叢の解析は複雑ながん免疫応答の一端を担っていることが示唆される.
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