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特集 希少がんに対する診療提供体制の現状と展望
肉腫の診療提供体制
Health-care system for sarcomas
岩田 慎太郎
1
,
川井 章
1
Shintaro IWATA
1
,
Akira KAWAI
1
1国立がん研究センター中央病院骨軟部腫瘍・リハビリテーション科
キーワード:
肉腫
,
集約化
,
均てん化
,
ネットワーク化
,
希少がん
Keyword:
肉腫
,
集約化
,
均てん化
,
ネットワーク化
,
希少がん
pp.315-318
発行日 2022年4月23日
Published Date 2022/4/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28104315
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肉腫は代表的な希少がんのひとつであり,その診療体制の整備は世界的な話題である.希少がんゆえの専門医や症例経験,エビデンスや一般公開情報の少なさに加え,診療に携わる診療科の多様性と病理診断の難しさなどが肉腫診療の問題点といえる.海外における肉腫の診療体制については,主に欧州で国レベルでの診療の集約化やネットワーク化が進んでおり,実際に治療成績においてもその優位性が認められている.一方,米国においては地理的な問題や保険・教育的問題から肉腫診療の集約化・ネットワーク化は十分に進んではいない.わが国では,2016年の希少がん対策ワーキンググループ四肢軟部肉腫分科会での検討をもとに,全国で60の四肢軟部肉腫専門施設が登録され,これらの施設における標準治療の実施率の高さと良好な予後が認められた.今後は,わが国の実情に適した肉腫の診療提供体制の構築が望まれる.
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