今月の臨床 婦人科医のためのオステオポローシス
エストロゲン欠乏と骨粗鬆症
8.GnRHアゴニストと骨粗鬆症
五来 逸雄
1
,
平野 高明
1
,
植村 次雄
1
1横浜市立大学医学部産婦人科
pp.1088-1090
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901873
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GnRHアゴニストは,下垂体のゴナドトロピン分泌作用を抑制し,低エストロゲン状態をきたす.産婦人科領域では,この性腺機能抑制作用を利用し,エストロゲン依存性疾患である子宮内膜症や子宮筋腫の治療薬として応用されている,最近,閉経後や卵巣摘出後の低エストロゲン状態による骨代謝への影響が広く知られ,骨粗鬆症の予防・治療について多くの報告がある.したがって同様な低エストロゲン状態を誘起するGnRHアゴニスト療法時の骨代謝への影響を熟知し適切に使用することが重要である.
GnRHアゴニスト1) 天然型GnRHは,血中半減期が短く,生物効果が比較的短時間であること,またポリペプチドであることから経口投与が不可能なことが,臨床応用に限界をもたせた.そこでより強力で,作用時間の長いアナログ化合物(super agonist)が開発され,強力かつ持続的なゴナドトロピン分泌を起こさせることに成功した.
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