Japanese
English
特集 B型肝炎ウイルスに対する飽くなき挑戦
高感度HBコア関連抗原測定法(iTACT-HBcrAg)の臨床応用
Clinical application of high-sensitivity hepatitis B core-related antigen assay(iTACT-HBcrAg)
井上 貴子
1
,
田中 靖人
2,3
Takako INOUE
1
,
Yasuhito TANAKA
2,3
1名古屋市立大学病院中央臨床検査部
2同大学院医学研究科病態医科学
3熊本大学大学院生命科学研究部生体機能病態学分野消化器内科学
キーワード:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
閉鎖環状二本鎖DNA(cccDNA)
,
HBコア関連抗原(HBcrAg)
Keyword:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
閉鎖環状二本鎖DNA(cccDNA)
,
HBコア関連抗原(HBcrAg)
pp.238-242
発行日 2022年4月16日
Published Date 2022/4/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28103238
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
B型肝炎ウイルス(HBV)は,いったん感染すると閉鎖環状二本鎖DNA(cccDNA)が肝細胞核内に保持され,ウイルス複製の鋳型となる.現在のB型慢性肝炎治療は,主に肝硬変・肝癌への進展予防を目標としている.肝内cccDNA量と転写活性は,病期進行と臨床転帰を決める重要な要因である.肝内cccDNA量との相関関係が明らかにされたHBV複製の指標 “HBコア関連抗原(HBcrAg)” は,B型慢性肝炎のモニタリングと転帰予測をサポートするマーカーである.最近,従来法と比較して感度が約10倍の高感度HBcrAg測定法 “iTACT-HBcrAg” が開発され,まもなく実用化される見込みである.完全自動化された前処理技術を採用した高感度HBcrAg測定法は,安価・迅速・簡便に結果を得ることができる.とくにHBe抗原(HBeAg)陰性B型慢性肝炎患者の管理や肝癌発症予測,HBV再活性化のモニタリングとして臨床応用されることが期待される.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.