Japanese
English
第1土曜特集 喘息の発症メカニズムと治療・管理
疫学,遺伝,発症予防
喘息の疫学
Etiology of bronchial asthma
永野 達也
1
,
西村 善博
2
Tatsuya NAGANO
1
,
Yoshihiro NISHIMURA
2
1神戸大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
2神戸大学医学部附属病院呼吸器内科
キーワード:
喘息
,
疫学
,
有症率
,
死亡率
,
重症喘息
Keyword:
喘息
,
疫学
,
有症率
,
死亡率
,
重症喘息
pp.4-7
発行日 2022年4月2日
Published Date 2022/4/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281014
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喘息は小児を含む全年齢層に発症する日常診療で遭遇することの多い疾患である.疾患の本態は気道の慢性炎症であり,咳や喘鳴,発作性呼吸困難などの特徴的な症状が起こる.日本では約800万人,世界では約2億6,200万人の患者がいるとされる.吸入ステロイド薬が進歩したことにより,喘息による入院や死亡は減少している.しかし一方で,アドヒアランスや吸入手技に問題がなく,併存症が十分に管理されているにもかかわらず喘息のコントロールがつかない,いわゆる重症喘息患者が喘息患者全体の5~10%にいるとされ,いまだに日本で1,157人(2000年),世界で46万1,000人(2019年)の患者が喘息により命を落としていることに注意が必要である.また,喘息による死亡はとくに高齢者で多くみられており,超高齢社会を迎えるにあたり,重要な課題となっている.
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